EZRでt検定を行う前に知っておくべき2つの前提|対応の有無と平均値の意味を理学療法士がやさしく解説
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はじめに 「統計のことはよくわからないけど、t検定だけは聞いたことある」 「EZRを入れたけど、どこを押せばいいのかわからない…」 そんなふうに感じたことはありませんか? EZRは、クリック操作だけで簡単にt検定ができます。 難しい数式を覚える必要もなく、結果も自動で表示してくれるんです。 ですがt検定を行う前に知っておくべき大前提があります。 ここを間違うと結果も間違います。 この記事では、EZRを使ってt検定を行う前に知っておくべき大前提を、統計が苦手な方でも安心して実践できるように、やさしく丁寧に解説します。 最後までお読みいただければ、次の画像の意味が分かるようになります。 一緒に、統計の「最初の壁」を越えていきましょう。 EZRでt検定を行う前に知っておくべき2つの大前提 対応の「ある」 vs 対応の「ない」 平均値が意味のある数値 この2点を解説します。 まずは、対応の「ある・なし」について解説します。 t検定における対応の「ある・なし」とは? t検定には「対応のある」「対応のない」の2種類があります。 どちらを使うかは、“同じ人を比べているのか、違う人を比べているのか”で決まります。 同じ人の「前後」を比べるなら対応あり、 別々のグループを比べるなら対応なし。 この区別を正しく行うことで、検定結果の信頼性が大きく変わります。 つまり、「対応のある・なし」を選ぶことは、単なる操作手順ではなく、研究デザインそのものを正しく理解する行為なのです。 🧩 1. 定義の整理 👥 2. どちらを選ぶかの判断基準 ✅ 対応のあるt検定を使うのは… 「同じ人」 を2回測定したデータの場合。 例: 介入前 vs 介入後の歩行速度 利き手 vs 非利き手の筋力 同じ患者の現在 vs 1年後 🔹根拠: 同一人物の「変化」を評価する場合、個人差(ばらつき)を打ち消す必要があります。 対応のあるt検定は「各ペアの差(差分)」を分析対象にするため、個体差の影響を除いて介入や条件の違いによる変化を正確に評価できます。 ✅ 対応のないt検定を使うのは… 比較する2つの群が 「別の人たち」 で構成されている場合。 例: 男性群 vs 女性群 リハビリ介入あり群 vs なし群 右麻痺群 vs 左麻痺群 🔹根拠: 2群のデータが独立(=片方の値がもう一方に影響しない)であるため、「平...