EZRで相関分析を行う手順|ピアソン・スピアマンをやさしく解説

2026/02/14

EZR コメディカル向け統計 初心者向け 統計ソフト 統計の基本 統計初心者

画像には、統計解析EZR、相関分析どっち選ぶ?と書かれています。

はじめに(相関係数の検定編)

「相関って、何をしている分析なんだろう?」
「ピアソンとスピアマン、名前は聞くけど違いが分からない」

統計を勉強し始めた方から、とてもよく聞く声です。

相関分析は
  • 2つのデータの関係を確認する分析
と聞くと、簡単そうに感じるかもしれません。

ですが実際には、
  • 正規分布って言われて、よく分からなくなった
  • EZRを開いたら、ピアソンとスピアマンがあって止まってしまった
  • どちらを選べばいいのか、自信が持てない
そんな経験をする方が少なくありません。

でも、安心してください。
相関分析が難しく感じるのは、あなたのセンスや理解力の問題ではありません。

多くの場合、「なぜこの相関係数を選ぶのか」という説明が、途中で省略されてしまうからです。

ピアソンの積率相関係数とスピアマンの順位相関係数は、どちらが正解・不正解という関係ではありません。

それぞれ、向いているデータの条件が違う。
ただそれだけです。

EZRでは、相関分析もフローチャートに沿って進めるだけで、ピアソン・スピアマンのどちらも簡単に計算できるようになっています。

この記事では、
  1. EZRのフローチャートで、どこを見て判断すればいいのか
  2. ピアソン相関とスピアマン相関は、どう使い分けるのか
  3. 相関係数とは、何を表している数字なのか
を、専門用語をできるだけ使わずに、一つずつ確認していきます。

まずは、「フローチャートに従えば大丈夫」
そう思って読み進めてください。

読み終わるころには、EZRで相関分析を行うときに、「なんとなく」ではなく、理由をもって相関係数を選べるようになっているはずです。

相関分析の選択

ピアソン vs スピアマンどっちを選ぶの?


上記のフローチャートを見てください。

2変数とも、正規分布に従うか?

  • 「Yes」の場合
     =「ピアソンの積率相関係数」を選択します。

  • 「No」の場合
     ノンパラメトリック検定である「スピアマンの順位相関係数」を選択します。

正規分布に従うかどうかの検定方法については👇の記事で説明していますので、ご確認をお願いします。


EZRでピアソンの積率相関係数の検定を行う実際の手順

  1. 統計解析
  2. 連続変数の解析
  3. 相関係数の検定(Pearsonの積率相関係数)
の順に選びます。



キーボードの「ctrlキー」を押しながら、相関を見たいデータを2つ選び、OKをクリックします。



検定結果は一番下に出力されます。



グラフも一緒に出力されます。


このグラフはパワーポイントにそのまま貼り付けて使うことができます。

EZRでスピアマンの順位相関係数の検定を行う実際の手順

  1. 統計解析
  2. ノンパラメトリック検定
  3. 相関係数の検定(Spearmanの順位相関係数)
の順に選びます。



キーボードの「ctrlキー」を押しながら相関を見たいデータを2つ選び、OKをクリックします。



検定結果は一番下に出力されます。



グラフも一緒に出力されます。


このグラフはパワーポイントにそのまま貼り付けて使うことができます。

相関分析における相関係数とは

相関係数とは「2種類のデータ間の直線的な関連の強さを表す指標」です。
どれだけ直線関係に近いかがわかります。

通常は記号「r」(小文字のアール)で表し、-1 〜 +1 の範囲の値をとります。

・相関係数が1に近い=正の相関
 「片方の値が増加すると、もう一方も増加する傾向がある」ことを意味します。



・相関係数が-1に近い=負の相関
 「片方の値が増加すると、もう一方が減少する傾向がある」ことを意味します。



・相関係数が0に近い=相関がない
 「2種のデータ間に直線的な関連性がない」ことを意味します。

相関係数と相関の強さの目安

ピアソン相関・スピアマン相関のどちらでも、検定結果には「相関係数」が出力されます。

相関係数の値から、2つのデータの関係がどれくらい強いのかを判断する目安が、👇の一覧表です。

画像には、相関係数が-1~-0.8だと相関が強い、-0.8~-0.5だと相関は中等度、-0.5~-0.2だとそうかんは弱い、-0.2~0~2.0だと相関は無視できる程度、0.2~0.5だと相関は弱い、0.5~0.8だと相関は中等度、0.8~1.0だと相関は強いということがわかる一覧表になっています。

相関は因果ではない

相関が強いからといって、一方が原因で、もう一方が結果とは限りません。

相関分析では、2つのデータが同じような動きをしているかを見ているだけです。

たまたま別の要因が影響して、同時に変化している場合もあります。

例①:歩行速度と血圧(年齢が影響している場合)

歩行速度と血圧に負の相関があったとします。
歩行がゆっくりになるほど血圧が高い、という結果です。

しかしこれは、歩行速度が血圧を直接変化させているとは限りません。

年齢という因子が影響している可能性があります。
年齢が高くなるほど歩行速度は低下しやすく、同時に血圧も上昇しやすい傾向があります。

つまり、

  • 年齢 ↑ → 歩行速度 ↓
  • 年齢 ↑ → 血圧 ↑

という関係が背景にあり、その結果として「歩行速度と血圧に相関があるように見えている」可能性があります。

このように、両方に影響を与える第三の因子を交絡因子と呼びます。

例②:リハビリ時間とADL改善(重症度が影響している場合)

リハビリ時間が長い人ほど、ADLの改善が小さいという負の相関が出たとします。

一見すると「リハビリを長くやると改善しにくい」とも読めますが、これは直感に反します。

ここで考えられるのが重症度です。

重症な人ほどリハビリ時間は長くなりやすく、同時に改善幅も小さくなりやすい傾向があります。

つまり、

  • 重症度 ↑ → リハビリ時間 ↑
  • 重症度 ↑ → 改善幅 ↓

という関係が背景にあると、リハビリ時間と改善度に負の相関があるように見えることがあります。

この場合も、真の原因は「重症度」であり、リハビリ時間そのものが改善を妨げているとは限りません。

相関と因果のまとめ

・例①、例②でお伝えした通り、相関がある=因果関係があるとは言えない点に注意してください。

・相関を見つけたときは、その背後に「隠れた因子」がないかを一度立ち止まって考えてみることが大切です。

・相関があったからといってすぐに結論を出さず、背景に別の因子が潜んでいないかを意識してみましょう。

⚠️注意点

ここまでご説明してきた「正規分布の検定→相関の検定」といった順番で検定を行うことを「多重検定」といいます。
近年はこの「多重検定」を避ける傾向にあります。

ですが、以前はこの記事で説明したような手順で検定を行っておりました。
よって、指導教官や学会発表によっては
  • 正規分布は確認した?
  • 等分散性は見たの?
と質問されることもあります。

本記事ではそのような背景を踏まえて、「正規分布の検定→相関の検定」といった手順をご説明いたしました。

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