【自動計算機能付き】SPPB (Short Physical Performance Battery) テンプレートの使い方
こんにちは。
理学療法士の「わい爺」と申します。
今回は、SPPBという身体機能評価法の、自動計算機能付きテンプレートをGoogleスプレッドシートで作成しましたので、こちらに公開いたします。
測定した実数値のみの入力で、合計点を自動で計算してくれます。
SPPB = Short Physical Performance Battery
SPPB は、高齢者の下肢機能を評価する目的で、National Institute on Aging(NIA)によって開発され、1994 年に発表されました。
12点満点で、『Normal(標準)』と判定されます。
11点以下で移動能力の低下が疑われます。
▼リンク
- リンクをクリックして、スプレッドシートを一度開きます。
- 開いたスプレッドシートを閉じます。
- ご自身のGoogleドライブ > 共有の中に、1で開いたスプレッドシートがあります。
- 縦三点リーダーからコピーを作成してください。
- マイドライブ内にコピーが作成されていますので、こちらをご使用ください。
- このスプレッドシートは誰とも共有されていませんので、ファイル名を変えたり、フォルダを移動したり、自由に扱うことができます。
- コピーを作成し終わったら、「共有アイテム」の中にある元のスプレッドシート(ほかの人が作成したスプレッドシート)は削除してください。
▼詳しくはこちらの記事を参照してください。
使い方詳細
- 黄色く塗りつぶされているセルの入力のみで完結します。
- 日付と生年月日を入れると年齢は自動計算してくれます。
- 各測定結果を入力すると自動で計算してくれて、合計点も出してくれます。
- 単位の「秒」は不要です。数値だけを入力してください。
- できなかった項目は 不可と入力してください。
- そのまま印刷すれば評価用紙としても使えます。
使い心地やご意見等をコメントして教えていただけたらと思います。
間違い等あれば修正いたします。
SPPBの測定に必要な物品
- ストップウォッチ
- 4m歩くことのできるスペース(スタートラインとゴールラインを引いておく)
- 約40cmのイス
バランステスト
閉脚立位
- 両足をくっつけます。
- 手を離します。
- 最大10秒です。
- 10秒できたら次のセミタンデム立位に進みます。
- 10秒できなかったらバランステストは終了して、歩行テストに進みます。
セミタンデム立位
- 一方の足のつま先と、反対の足の親指を横でくっつけて立ちます。
- 手を離します。
- 最大10秒です。
- 10秒できたら次のタンデム立位に進みます。
- 10秒できなかったらバランステストは終了して、歩行テストに進みます。
タンデム立位
- 一方の足のつま先と、反対の足のかかとをくっつけて足します。
- 左右の足が一直線になります。
- 最大10秒です。
- タンデム立位テストが終了したら、歩行テストに進みます。
タンデム立位テストの様子は動画にて公開しています。
通常歩行テスト
- 4mを歩くのにかかる秒数を測ります。
- スタート地点に足をそろえて立ちます(助走はありません)。
- 「よーいスタート」の合図とともに歩き始めます。
- 歩くスピードはいつもの速さです。
- 特別速くも遅くもない、いつも通りの速さで歩きます。
- どちらかの足がゴールラインを越えたら測定終了です。
- 2回測定して、速い方を採用します。
4mを歩くスペースがない、またはわからない場合
いつもの速度で歩いて、青信号の間に横断歩道を渡り切れていれば、歩行テストは満点と判断できます。
▼参考記事
5回立ち上がりテスト
- 約40cmの椅子に腰かけます。
- 胸の前で手を組みます。
- 浅く腰かけて、足を軽く引いておきます。
- 1回立ち上がる練習をします。
- 立ち上がった時は、身体や足が曲がらずまっすぐの姿勢になります。
- 腰かける時は、ドシンとならないように腰かけます。
- 「よーいスタート」の合図で、5回できるだけ素早く立ち座りを繰り返します。
- 5回立ち座りをするのにかかった時間を記録します。
5回立ち上がり(立ち座り)テストの様子は動画にて公開しています。
動画では、4点の11.19秒で立ち座りを行っています。
動画の人物より速くできれば4点で標準。
動画の人物より遅いと4点未満として標準を下回ると判定しています。
標準を下回った場合は移動能力の低下が疑われます。
▼参考記事
SPPBは転倒のリスクを把握するのに有用です。
SPPBは、座った姿勢から立ち上がったり、立った姿勢でバランスをとったり、歩くときのバランスを時間制限付きで測定できるので、変化に敏感であるといわれています。
例えばこちらの論文。
SPPBを使って、透析患者の転倒の危険性を見ています。
SPPBが11、12点の患者と比べて、
- 9,10点だと転ぶ危険が1.66倍
- 8点以下だと転ぶ危険が1.77倍
になると報告しています。
Googleスカラーで「SPPB 転倒」と検索すると243件ヒットします。
転倒の危険性の把握にSPPBは有用。
Xでもポストしました。
たくさんの方に見ていただけてありがたかったです。
自動計算機能付きのSPPBをスプレッドシートで作成しました。
— わい爺@転倒予防の理学療法士 (@pt_no_YZ1717) August 10, 2024
身体機能を測定する
・SPPB評価用紙に
・測定値を入力すると自動で合計点を出してくれます。
・測定の手順も用紙に記載されているので、マニュアルとしても使えます。
必要な方は是非ご活用ください。https://t.co/kVEUCUSAyA #SPPB
以上です。
参考・引用論文サイト
①
J M Guralnik 1, E M Simonsick, L Ferrucci, R J Glynn, L F Berkman, D G Blazer, P A Scherr, R B Wallace: A short physical performance battery assessing lower extremity function: association with self-reported disability and prediction of mortality and nursing home admission. J Gerontol. 1994 Mar;49(2):M85-94.
②
Manuel Montero-Odasso, et al: World guidelines for falls prevention and management for older adults: a global initiative, Age Ageing. 2022 Sep; 51(9): afac205.
③
河野健一,西田祐介・他:維持透析患者の運動能力低下に至る要因と転倒との関連性,理学療法学 44 (4), 255-262, 2017
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