【理学療法士が解説】転倒と立ち上がり運動

2024/03/23

自主トレ

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スクワットが難しい時にお勧めの立ち上がり運動

【はじめに】

こんにちは。
理学療法士のわい爺です。
私は2006年に理学療法士免許を取得しました。
本記事をお読みの皆様に、私のこれまでの体験から得られた知見を共有いたします。

下半身の筋力トレーニングとして、また、ダイエット目的の運動として、スクワットはとても有名です。誰が言ったかキングオブエクササイズの名の通り、下半身を中心に多くの筋肉を鍛えることが可能です。
ただし、負荷が大きいため関節や筋肉に痛みを感じたり、バランスがとりにくかったり、やりにくさを感じている方もいらっしゃるかと思います。
やりにくい運動はなかなか続きません。
運動は継続することに意義があります。
そういう時はスクワットではなく、「立ち上がり運動」をお勧めいたします。

【方法】

① 42cm前後の椅子に浅く腰かける。
② 足を肩幅程度に開き、後ろに少し引く。
③ 胸の前で手を組んで(もしくは、テーブルに手をついて、手すりにつかまって)立ち上がる。
④ ゆっくり座る。
⑤ ③~④を繰り返す。

回数は無理なくできる範囲で、10回~30回を目安とします。

【注意点】

・スクワットより負荷が軽いとはいえ、筋肉痛や関節痛のリスクはあります。無理のない範囲で行ってください。
・ふらついて転ぶ危険があります。どこかつかまれる物の近くで行ってください。
・ドシンと勢いよく座ると腰を痛めます。ゆっくり着席してください。

【立ち上がりと転倒リスク】

・転倒経験者は立ち上がり速度が遅くなってしまい、転倒リスクと関係があるのではないかと言われています。

Fallers were significantly slower than nonfallers on Kinect-based measures and the total stopwatch-measured 5STS time

<翻訳>
5回立ち上がるのに要した時間を転倒経験者と非転倒者で比べると、転倒経験者の方が大幅に遅かった


Matthew Brodie; Yves J. Gschwind; Stephen R. Lord; Wolfgang L. Zagler; Kim Delbaere


Kinect-Based Five-Times-Sit-to-Stand Test for Clinical and In-Home Assessment of Fall Risk in Older People


Gerontology (2015) 62 (1): 118–124.

【まとめ】

立ち上がり運動はスクワットほど負荷が強くないため、スクワットが難しい時にお勧めの運動です。
「継続は力なり」です。無理なくできる運動を続けていきましょう。

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【引用文献】

Matthew Brodie; Yves J. Gschwind; Stephen R. Lord; Wolfgang L. Zagler; Kim Delbaere
Kinect-Based Five-Times-Sit-to-Stand Test for Clinical and In-Home Assessment of Fall Risk in Older People
Gerontology (2015) 62 (1): 118–124.

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