【転倒予防と歩く速さ】横断歩道を青信号の間に渡り切れるかどうかがポイントです。

2024/04/30

歩行速度

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【転倒予防と歩く速さ】横断歩道を青信号の間に渡り切れるかどうかがポイントです。



今回の記事で伝えたいこと

・横断歩道を青信号の間に渡りきれるかどうかが転びにくさの境界線。
・転びにくい身体作りのために、ノルディックウォーキングをオススメする。

こんにちは。
理学療法士の「わい爺」と申します。

ご自身、ご家族、ご友人など、横断歩道を青信号の間に渡り切れない方はいらっしゃいますか?


横断歩道を青信号の間に渡り切れないほどに歩きが遅くなったら、転んでしまうサインかもしれません。

実際に、歩きが遅くなったら転びやすいという論文があります。

今回の記事では、歩きが遅くなると転びやすいと言われる根拠と、その対策をわかりやすい言葉でお伝えいたします。

今回の記事が、転んでしまうかもしれない状態に気づき、転びにくい身体作りのお役に立ちましたら幸いです。

歩きが遅いとは?

 

一般的には歩行速度を秒速1メートルとして道路を渡りきれるよう調整しています。

引用:警視庁 歩行者横断秒数の延長

 
青信号の間に渡り切れない。
=秒速1メートルより歩きが遅い。

このため多くの論文で、歩く速さの基準を秒速1メートルにしています。
秒速1メートルより遅くなることを、この記事では歩きが遅いとしています。

<補足>
秒速1メートル=時速3.6キロメートル。
一般的な歩く速さは時速4キロメートル。

横断歩道の青信号は少しゆっくり歩いても渡り切れるようになっています。

歩きが遅くなると転びやすいと言われる根拠


本文を元に筆者が作成

引用論文:Lien Quach et al: The Non-linear Relationship between Gait Speed and Falls: The MOBILIZE Boston Study, J Am Geriatr Soc. 2011 Jun; 59(6): 1069–1073.

<説明>

・この論文では、1年半以内に転んだ人数と回数を数えている。
・対象者は地域にお住いの、アメリカ人高齢者763人(平均年齢78歳)。
・歩きが遅くなると、屋内で転ぶ危険が1.45倍になる(1年半以内)。
・屋外で転ぶ危険は増えない。

どうして歩きが遅くなるのか?

 

歩行速度は,歩幅の影響から60歳以後に急激な低下を示す

引用:丸山仁司:高齢者の運動機能,歩行理学療法科学,14(3):101-105,1999.


歩きが遅くなるのは、歩幅が小さくなるからです。

歩幅が小さくなるのはなぜ?

足の筋力が衰えたため。
病気が隠れている。
:病気かどうか、運動しても良いかどうか、1度は医師に相談することをオススメします。
  
ここから先は①の場合のお話です。

歩きを速くすることはできるのか?

 ノルディックポールを使ったウォーキングが効果的だった。

本文を基に筆者が作成


<説明>

・ノルディックウォーキングを週3回、45~50分、3ヶ月行った。
・対象は地域にお住いの、インド人高齢者22名(平均年齢76歳)。
・歩きの遅い人が、横断歩道を青信号の間に渡り切れるくらいに歩きが速くなった
・ノルディックウォーキングは、「総合体力研究所 ノルディックウォーキング~歩き方とその効果~」でわかりやすく説明されています。




<補足>

介護予防教室や転倒予防教室といった、運動教室に通うことで歩きが速くなったという論文もあります。
お住まいの自治体の役所や地域包括支援センターに確認し、通える教室があれば、参加されることをオススメいたします。

▼歩く速さ以外の測定についてはこちらの記事をごらんください。

最後に

転ばない。
怪我しない。
健やかな日々を過ごされることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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引用サイト・文献


Lien Quach et al: The Non-linear Relationship between Gait Speed and Falls: The MOBILIZE Boston Study, J Am Geriatr Soc. 2011 Jun; 59(6): 1069–1073.

丸山仁司:高齢者の運動機能,歩行理学療法科学,14(3):101-105,1999.


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