【動画あり】イスからの立ち上がり運動で使われる筋肉や上達方法【転倒予防との関係】

2024/10/01

立ち上がり

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【動画あり】イスからの立ち上がり運動について




こんにちは。
理学療法士の「わい爺」と申します。

今回の記事では
  • イスからの立ち上がり運動で使われる筋肉
  • イスからの立ち上がりの上達方法
  • イスからの立ち上がりと転倒予防の関係

について解説します。

動画

  • 立ち上がり運動を一緒に行う動画です
  • 15回×2セット
  • 4秒かけて立ち上がり、4秒かけて腰かけるペース
  • ゆっくり行います



自宅での運動は、動画を見ながら行うのがオススメです。
運動は継続することが大切なのですが、なかなか続きません。

「動画をつける ➡ 見ながら運動する」

この動画が、運動継続のお役に立ちましたら幸いです。

用意するもの

  • 約40cmのイス

立ち上がり運動で気をつける点

  • 足は肩幅程度にひらく
  • つま先はできるだけ前を向ける
  • 足は引いておく
  • 手を胸の前で組む
  • ふらつく方は、テーブルや手すりなど、安定したものにつかまる

立ち上がり運動で使われる筋肉


①立ち上がろうとして身体が前にたおれる(体幹前傾)

  • 縫工筋


  • 大腿直筋



②同時にすねが前にたおれる(下腿の前傾)

  • 前脛骨筋



①+②によって、重心を前下方移動させる原動力となっている。(下図参照)


③膝が伸びる(膝関節伸展)

  • 外側広筋
  • 内側広筋



④股関節がのびる(股関節伸展)

  • ハムストリングス
    (大腿二頭筋+半腱様筋+半膜様筋)


  • 大殿筋


③+④によって重心を上方へ押し上げる。(下図参照)


⑤同時に姿勢を直立位にする(体幹伸展)

  • 脊柱起立筋




出典:星文彦・他:椅子からの立ち上がり動作に関する運動分析,理学療法学19 ( 1 ),43-48,1992

立ち上がり動作が上手になるには

ブリッジ運動がオススメ




この研究では、立ち上がり動作とブリッジ動作が似ているということに着目しています。



この研究では、上で説明した

  • 大殿筋
  • 大腿二頭筋(ハムストリングスのひとつ)
  • 脊柱起立筋

の筋肉の活動を見ています。

point

膝を140°に曲げてブリッジ運動をすると、3つの筋肉の動き方が立ち上がり動作に似る

ブリッジ運動は寝て行う運動なので、転ぶ危険性がありません。

ブリッジ運動はリハビリでよく取り入れる筋力トレーニングです。
わたしもこれまでたくさんの方に指導してきました。

ですが、
  • 膝をどれくらい曲げた方がいいのか
  • 足はひらいた方がいいのか

なかなか明確な基準がなく、あいまいな指導になってしまうこともありました。

今回の論文を参考に、立ち上がり運動がうまくできない方の筋力トレーニングとして

膝を140°に曲げたブリッジ運動がオススメです。


立ち上がり運動と転倒予防

5回立ち上がりテストと転倒の関係①

以前、SPPBという評価方法の記事を書きました。

▼参考記事

この中で、5回立ち上がりテストをご紹介しています。

対象は主に、地域に住まわれている高齢者(65+世代、シニア)です。

  • 何にもつかまらないで立ち上がること
  • 11.19秒以内で5回立ち上がりができること

これができて、標準的な身体機能といえます。
これができなければ、標準的ではなく、転倒の危険性が高まってしまいます。

立ち上がり動作が、つかまらずにスムーズにできること。
転倒予防には立ち上がりの能力が重要だということです。

一度、リンクから5回立ち上がりテストに挑戦してみてください。

5回立ち上がりテストと転倒の関係②


Fallers were significantly slower than nonfallers on Kinect-based measures and the total stopwatch-measured 5STS time

出典:Matthew Brodie et al: Kinect-Based Five-Times-Sit-to-Stand Test for Clinical and In-Home Assessment of Fall Risk in Older People, Gerontology (2015) 62 (1): 118–124.より引用

<翻訳>
5回立ち上がるのにかかった時間
転んだことがある人と転んだことのない人
転んだことがある人の方がおそかった

出典をもとに筆者が作成

5回立ち上がりテストと転倒の関係①で、11.19秒以内が目標と書きました。
この論文は転んだことのない人も平均14.33秒と、すこしおそめです。

この論文は
  1. 「以前」転んだことがあるかないかと
  2. 「今の」立ち上がり速度を
比較しています。

以前転んだことがなくても、今の立ち上がり速度がおそければ、これから先に転んでしまうかもしれません。

この研究はあくまで、現時点での状態を調べた研究にすぎません(横断研究といいます)。

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参考論文

星文彦・他:椅子からの立ち上がり動作に関する運動分析,理学療法学19 ( 1 ),43-48,1992


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